視える私の見える好き













Chapter.5



お店を休業して一週間が経過したある日の午後。
どうしても今まで通りの接客をしていいのかわからず、未だに占いの館を再開出来ないでいた。

しかし何気なく学校帰りに自分の店に向かうと、遠くからでも聞いた事がある怒鳴り声が聞こえ、恐る恐る近寄ると勇太郎さんと勇次郎さんと、


例の美那と背の高い男性が言い合いをしていた。

「ど、どうしたんですか!?」
「あ!小春お嬢!今は……っ。」
「馬鹿!何でよりによって。」

しまったという顔をしている二人に、興奮冷めやらない美那は私に向かってギロッと睨む。

「は?何よアンタ。ガキが見てんじゃないわよ。さっさと消えなさいよ。」

相変わらず彼女の胸元からはどす黒い靄が見え、いつものようにおぞましいオーラが放っているような姿に、一瞬怯んでしまう。

だけどここは私の店だし、何より勇太郎さん達を放っておけるわけが無い。

「ここで占いをしている者です。何かありましたか?」
「小春お嬢!」
「言うなっ!」

二人の声かけに、時既に遅し。

美那は私に近づいていき、まるで虫を見るかのような視線を私に浴びせ、そして派手な色をした口元の口角が右側だけ上がる。

「はっ!?アンタなの!?このガキが有名な占い師!?ギャハハハ!!笑える!」

下品な笑い声を高らかに上げ、更に至近距離に私に唾をかかるくらいの勢いで、私を巻くし立てる。

「せっかく予約してたのに突然の休業ってさ。馬鹿にしてるわけ?この私がガキの都合に振り回されたの?ねぇ?」

コンクリートの上で高いヒールの擦れる音が響き、そして彼女の胸元の黒い靄が、更に大きくなるのを感じた。