「……どした?」
「……心配で…。居ても立ってもいられなくて。」
背の高い、彼の細くて筋肉で硬い身体に手を回してしまう。
拒否られてもおかしくない、私なんかに抱きつかれて、はね除けられてもおかしくない。
なのに悠紀くんは、泣きそうな私に抱き締められても、拒否をする素振りを見せなかった。
「……良かったです。無事で。」
「……あぁ。俺は何とも無いよ。てかゆうまだな、小春に言ったの。」
私の肩にソッと優しく手を置き、少しだけ離して私の顔を見る。
「心配したのか?」
「当たり前です。」
「馬鹿だなお前。こんな事で毎回心配してたら、小春の心臓いくつあっても足んねーぞ。」
ハハッと笑って話す彼の顔を、至近距離で見て嬉しいと同時に、さっきの抱きついてしまった行動を思い出して顔が赤くなる。
「す、すいません!」
「いや、いいよ。ビックリしたけど。つか、いっつも小春が困ってる所現れる俺の方がキモくね?何このタイミング。」
これが運命の相手との奇跡なんだよ。
悠紀くん、きっと偶然じゃないんだよ。
本当は言いたい。
目の前に立ってる私は貴方の運命の相手なんですと、本当は言いたい。
「ゆうまは……皆は大丈夫なんですか?」
「皆生きてるよ。頑丈だから。ただ、いや、何でもねぇ。」
「言って下さいよ!」
思わず口を滑らせた悠紀くんの台詞に、私は見逃せなかった。
「まぁ、俺らって自分から喧嘩売る真似はしない主義っつーか。大体俺に負けた奴らの逆恨みはあるけど。……最近ちょっと。」
悠紀くんがまだ少し言葉を濁す。そして、目の前にいた筈の距離から少し私から離れて話を続ける。
「俺が居ない時に多くなった気がするんだ。見たこともねーチンピラがY月グループに絡んでくの。」


