視える私の見える好き


何度も自分の無知さに困惑してしまう。

こんな時間でもお店ってやってるの?
深夜とは言え、早朝が近いと言えば近い。だけどY地区の昼間とはうってかわって何人もの大人達の姿を見て、身を隠すように歩いてしまう。

と、二人のサラリーマン風の男の人達が酔っぱらって足元がおぼつかない状態で、避けたつもりで歩いていた私と歩道でぶつかってしまう。

「あぁ?今ぶつかっただろブス。」
「先ぱ~い、ブス菌うつりましたね~。慰謝料っすわ~。」

明らかに呂律が回っていない男性二人に絡まれ、足が震えてしまう。

「ご、ごめんなさい。」
「ごめんなさいじゃね~んだわ。ブスが歩くと迷惑って自覚ね~の?」
「ギャハハハ!!」

怖い。
怖くて泣きそうだ。
やっぱり来なきゃ良かった、そんな事を考えてしまった瞬間。



「……っっぐ!」

男性が一人、派手にコンクリートの歩道に倒れる。
「先輩?」
もう一人の男性が、訳が分からないと言った表情で倒れた男性を見ていたら同じく、

「っっ…う!!」

と、倒れた男性の上に転がる。




「オイ、おっさんら。俺の知り合いに何つった?」


いつもの長い前髪。
聞いた事がある冷淡な声。

「悠紀……くん。」
「あ!わ、Y月グループの…す、す、すいません!先輩ちょっと飲みすぎちゃって。すみませんすみません。先輩ホラ行きましょ!」
「んぁ~?もう会社?」

まだ少しこの状況に判断がつく男性が、もう一人の男性の肩を担いで慌ててこの場から、フラフラで立ち去る。

「悠紀くん……。」
「何してんの?マジで。本当に馬鹿な「悠紀くん!!」

悠紀くんが話終える前に、思わず彼に近寄り、
そして、彼の細い身体をつい抱き締めてしまった。