視える私の見える好き


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大丈夫なの!?怪我は?
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怪我しかしてねぇ。
でも悠紀くんは見てねぇから
やられたかやられてないかも
わかんねぇ。
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忘れていないようで忘れてた。
Y月グループ、彼らと関わる前から私ですら聞いた事がある不良グループだった。
喧嘩を売られる事はしょっちゅうで、あまりの強さに恨まれる事もあるらしい。そしていつも抗争が絶えないそんなグループの頂点が悠紀くん。

ほんの数時間前に、長い前髪から見えた優しい表情。

彼は、リーダーなのだ。
狙われる事も沢山あるんだと、ゆうまのLINEで実感してしまった。

時計を見たらもう夜の9時。
こんな時間に出歩いたら、それこそお母さんに何を言われるか分かったもんじゃない。
電話で話せない程の怪我をしているゆうまも、勿論心配なのだが、悠紀くん。
悠紀くんは……無事なの??

震える指で、もう一度ゆうまに電話をしてしまう。
先ほどと同じ、機械の音が何度も流れたと思ったが

『だからさぁ……。いてーんだって。』

弱々しい声で出たゆうまの声に、一先ずホッとする。

『ねぇ!何で?大丈夫!?何でそうなったの!?悠紀くんは?』
『馬鹿か。こんなん日常茶飯事だっつーの。悠紀くん見てねーんだよ。だからこのザマよ。』

話を聞くと、いつもならどんな抗争でも悠紀くんがいたら、ここまでやられる事は無いらしい。
それは悠紀くんがあり得ない程強いらしいから。

『悠紀くんいねーの分かってて来たっぽい。糞みたいなチンピラの集団。』
『私、何か出来ることない?』
『痛くて話せねーからもう電話切っていい?とりあえず怪我人多いから明日差し入れよろ。』
『ちょっ!』

返事をすると既に電話は切られていて、LINEはもう既読にならない。

心配で心配で胸が張り裂けそうだ。