視える私の見える好き


何の為の、誰の為の特殊能力。

少なくとも、こんな能力欲しくなかった。
だってさ、誰も得しないじゃん。
運命の証が見えるって何?今更だけどおかしいよ、普通じゃないよ。

結ばれる相手が見えるわけじゃない。
一致してるか、してないか。ただそれだけしか見えない。


さっきの二人……。
お互いに愛しているように見えた。

それは今だけかも分からない。
あの女性が亡くなる運命だから、男性は運命の相手が違うのか。
亡くならなかったら、この二人は運命の相手だったのか。

それは私じゃない。
神様だけしか知らないこと。



だけど。
考えても、考えても……。

赤の他人の私が、貴方達は運命の相手ではありませんとそのまま素直に伝えてしまった。


理由なんて考えずに。



泣きそうだ。
自分の愚かさに。
最低過ぎて泣きそうだ。

もう見たくない。こんな文字。

丸が歪んでいるものから、三角に足が生えたような訳のわからない形。

目を瞑らない限り、私も通行人も、胸の真ん中でオレンジ色に優しく光っているのがあちこち見える。

見たくない、

もう何も見たくない。


フラフラとゆく宛も無く、家路とは全く無関係な道を歩いていくと、私の胸の文字が一瞬突然大きな光を放った。

それはまるで、雷のようなフラッシュ。

そして、その後に訪れる胸の激しいドキドキ。

押し潰されそうな胸のドキドキに、ギュッと胸元を掴んで離さない。
目線を真っ直ぐ向けるとそこには。



「……あれ?お前。」

悠紀くんが、前から歩いて来ていた。

気付けばここは河川敷。Y地区からX街に丁度向かう悠紀くんと対面する。