視える私の見える好き


「小春お嬢……。」
「……大丈夫か?」

小さなこの室内でも、音声付きの監視カメラがついており、双子の二人は心配そうにバックヤードから顔を出す。

全て会話を聞いていたのだろう。

「誰も悪くないですから。」
「気にすんなよ。」

全く彼らの慰めが頭に入らない。こんな事を言ってくれていても、本当は心の中で、私を軽蔑しているかもしれない。

最初からあの恋人達の話を聞いてから占えば良かった。

今までそんなこと、考えた事も無かった。

疑い半分好奇心半分で来店するお客ばかりで、真実を伝えても信じないお客さんも多い。
そもそも、私の能力が何処まで世間にしれ渡っているのか分からないが、来店するお客さんは私の事を霊能者と同じ感覚と思って見ているだろう。


【見えないモノが見える人】


占いをして、欲しい言葉を貰えた人は本物と信じ、違う言葉を言われた人は私を偽物と決めつける。
正直、毎回の事過ぎて慣れてしまった感覚。

それが当たり前で、人間の心理だもん仕方ないかとこちらも勝手に決めつけていた。


あの女性のように…

最後の恋が貴方で良かったと、運命の証が違う相手にそんな綺麗な言葉を言える人が、来るなんて。


「……ごめんなさい。ちょっとお店閉めます。今からの予約者、全てキャンセルと伝えて下さい。明日以降も全てキャンセルと後でお店のHPに載せます。」
「小春お嬢……。」
「おい、マジかよ。」


二人が困ったように私を引き留めていた気がしたが、私には振り向く余裕が無く、着替えてお店を出てしまう。

街に出ればホラ。

地味で暗い私の存在は、群衆に紛れて消えてしまう。






違う

消えてしまいたい。