視える私の見える好き


「僕の運命の相手が、君で良かったんだ。残されてもそれを胸に秘めて生きていけるから……。君を、ずっと愛していけるから……。」

私の前で堂々と涙を流しながら、彼女の手を握る。
手を握られた彼女も一粒、涙を流していたが、それ以上は泣かないとまるで決心していた顔付きだった。

「占い師さん……。運命の証が一致していても、片割れが亡くなってしまったらその証に変化はありますか?」

「……私の知る限りでは、変化は、ありません。定められていると、私は思って……いまし、た。」

「……そうなんですね。じゃあ、私の本当の運命の相手には悪いけど、私の最後の恋は貴方で良かった。」

「うぅ……。」

男性は、握っていた手を女性の身体に移動して優しく抱きしめながらずっと涙を流していた。

その光景に、なんて私は残酷な言葉を放してしまったのだろうと、後悔が止まらない。

事情を知っていたら…
私は定められた運命の文字の事実に、偽りの言葉を伝えていたかもしれない。
男性を泣かせる事も無かったかもしれない。

その偽りの言葉で、この二人は最後まで幸せになれたかもしれない。


私は……なんて残酷な事をしてしまったのだろう……。


「ありがとうございました。」

二人がこんな私に頭を下げて料金を置いていき、
「お、お金は受け取れませんっ!」と、思わず立ち上がると、女性はお金を置いたままニッコリ笑ってお店を出ていった。

テーブルに置かれた三千円。
占いには大体15分から30分の時間を設けている。
料金設定も、ただ単に周りの占い屋さんに合わせた適当なもの。

私は……
15分三千円で、二人の未来を壊したようなものだ。

彼女が言っていた台詞も本当は強がりで、生きる最後の希望を消してしまったかもしれない。