視える私の見える好き


「私達付き合って三年なんです。ここの占い、当たると有名で、予約してから半年待ちました。」
「宜しくお願いします。」


人が良さそうなカップル。ただの予想だが、20代前半くらいだろうか。
私の占いは、名前も年齢も必要無い。
私には【見る】ことしか出来ないから。
だからこそ人気なのかは知らないが、こうして優しそうな恋人達が来店した時、運命の証が違うと言う時が一番苦しいかもしれない。

「……一致、していますか?」

女性の方が、不安そうに私に尋ねてくる。

「……残念ながら一致しておりません。」

ただ一言。
私は真実を伝えるのみだ。
パープルのベールで顔を隠しているが、本当は申し訳ない気持ちでいっぱいの表情になってしまう。

「……良かった。」
「………。」

男性は沈黙しているが、女性は寂しそうだが何故か表情とは裏腹な台詞に、思わず困惑してしまう。

「私……実は余命宣告されているんです。付き合ってから発覚したんですが、彼の運命の相手が他にいるのであればと、それを確かめたくて予約していたんです。……間に合って良かったです。これでもう、私は思い残す事はありません。」

よく見ると、女性の身体はかなり痩せていて、五分の服から見えていた腕には沢山の点滴の跡だろうか。

男性は下を向き、唇を噛み締めて震えていた。


──私は…
何て無神経な事を…。

「ご、ごめんなさいっ……。私……。」

思わず占い師の姿から、つい素の自分を出して、二人に謝る。

「……占い師さん。大丈夫です。死ぬ事は怖くないんです。だけどもし、私が運命の相手だった方が、残された彼に対して申し訳ない気持ちになっていたと思います。」
「僕は、それで良かったんだ。」

黙っていた男性が口を開く。