視える私の見える好き


「お客様と、そちらのお客様、残念ながら一致しておりません。」


「ホラね!?だと思ったのよ!!だって何が世界で一番私を愛してるとか言っといて、Y地区で女買うとかあり得ないから!!」

「い、いや……あれはただの遊びだって。あ、あの占い師さん、本当に僕たちは違うのですか?」

「間違いございません。」



女性の方は20代後半……いや、30歳いってるのかな?
男性の方は34~5歳と言った所だろうか。

どちらかというと身なりからして女性の方が裕福そうに見える。

「ありがとう占い師さん!これでこのゴミと別れてまたバリバリ仕事打ち込めるわ。」

「ま、ま、待って!僕たち本当にこれで終わり!?だ、だ、だって、まだ僕なゆちゃんから生活費貰ってないよ?今月いっぱい買い物しちゃったよ~!」


予感は的中。
いや、予感しなくても大体察せるなこの関係性は。

女性は基本料金と感謝料を上乗せしては、沢山のイミテーションのキャンドルが飾ってある、暗い部屋の扉を勢いよく開けて去っていく。

そして残された男性は、お前のせいでと私の顔をジロッと睨み、猫足の白い木目調のテーブルを越えてきそうな勢いに、手元にある非常事態のボタンを躊躇(ちゅうちょ)なく押し、暗い部屋に突然鳴るサイレンと、イミテーションのキャンドルのライトがクルクルと回転しながら赤く点灯する。


「なっ…なっ…。」
「お客様、どうぞこちらへ。」
「お客さ~ん、今何しようとしたわけ?」

刺青がある強面(こわもて)の男二人が部屋に現れ、その二人を見た男性が顔面蒼白になりながら、両腕を掴んで外に連れ出される。