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悠紀くん、今日19時頃に
X街で買い物するって言ってた。
悠紀くんの母さんのパシり。
◯◯って場所。
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情報があったら教えてと言ったが、嬉しいような微妙なような複雑なLINEの内容に、携帯を持つ手が止まってしまう。
聞いた所で会いに行っても良いものなのか。
そもそもそんな時間まで家に帰らない事にも、少しだけ躊躇してしまう。
だけど、会いたい……。
遠くからでもいいから、一目でいいから、悠紀くんの顔を見たい。
淡い恋心というより、もはやストーカー寄りな考えに自分でも引いてしまう。
でも……。
「顔見たいなぁ。」
思わず声に出してしまう彼への想いに、勇太郎さん達がいる前で本音を吐き出してしまう。
それを聞いた二人は、やはり乙女チックなオーラを出しながら、私を見て微笑んでいた。
「いいよなぁ。」
「恋だよなぁ。」
見ないで下さい!と、仕事着のベールで顔を隠し、熱くなった顔をパタパタと手で仰ぐ。と、話していたら、ピンポーンと、お客さんが来たというお店のチャイムが鳴り、三人で慌ててそれぞれの持ち場につく。
現れたカップルは、幸せそうな顔でドアを開け、私と向かい合わせになって席につく。
──運命の証は違う。
こんなに幸せそうなのに。
こんなに仲良しに見えるのに。
二人に浮かび上がっている文字は一致していない。
この仕事を始めた時は、毎回悩んでいた。それでも私は真実を伝えている。
だからトラブルが絶えなかったのも事実だ。
インチキ!や、金返せ!と何度も罵られた事もあった。
だからこそ、後ろのバックヤードで待機してくれている双子の存在がどれ程大きいか……。


