視える私の見える好き


「勇太郎さん、勇次郎さん、今何処にいますか?」

勇太郎さんに電話をかけて、彼らにお願いをする。

「小春お嬢どうしたんですか?今、勇次郎とX街でタルトが有名なケーキ屋にいましたけど。」

乙女チックな彼らはどうやら、好物も乙女らしい。
自分的には緊迫したつもりだったが、あの強面の二人がスイーツを食べている所を想像すると、ちょっとだけ和んでしまった。

「あ、あの。オヤツ時間にすいません。悠紀くんと一緒にいる美那という女性の事で、気になる事があるんです。」
「何かあったんですか?」
「悠紀くんの好きな女性らしいんですけど……何か少し、引っ掛かるんです。」
「俺らはいつでも暇だからいいぜ!」


私の電話の声が聞こえたのか、勇次郎さんも返事をしてくれる。

素人が調べた所で何も分からないかもしれない。
運命の証が無いだけで、本当は物凄く良い人かもしれない。
禍々しいあの黒い靄は、お母さん達が言っていた【悪魔にですら見放された存在】も、もしかしたら違うかもしれない。

自分の目で確かめたい。

そして、もっと悠紀くんと向き合いたい。

「一緒に……調べてくれませんか?」
「「小春お嬢の為なら。」」

二人の声が重なって聞こえる。
いつか彼らに美味しいスイーツをご馳走しよう。

携帯をリュックに閉まい、一度マスターのお店に戻って美那の親の会社を聞き出す。

「小春ちゃん、これを知ったところでどうも出来ねーんじゃねーか?」

またお店に戻ってきた私を、マスターがタバコを吸いながら笑って話す。