「今日は何?」
悠紀くんが私に話しかけるが、聞かれた所で答えられない。
悠紀くんに会えるかなと思って来たなんて、言えるわけがない。
「………。」
「そうやって黙るけどさ、不快にさせてる自覚ある?」
「え、ご、ごめんなさい。」
「別にいいけど、聞いたよ。仕事探すとか嘘だったんだって?馬鹿にしてる?俺のこと。」
「……そ、それは。」
誰に何を聞いたのか。
仕事を探している言葉は確かにあの時突拍子に出た嘘だったが、何だか苛立っている悠紀くんの雰囲気に、益々返事が出来なくなる。
「もう来んなよ。興味本位で此処に来てアンタに何かされても自業自得だからな。」
「………。」
「……ハァ。うざ。」
またしても黙りこくってしまった私を見て、わざとらしいため息とストレートな言葉。
プイッと背中を向けてY地区の町の中に、メンバーもゾロゾロと消えていく。
何の為にイメチェンまでして此処にきたのか。
変わりたくて、近づきたくて動いた気持ちは空回り。
歩道の真ん中に一人残されて、普通の会話すら出来ない自分が恥ずかしくて、消えてしまいたくなる感覚に陥る。
コンタクトをした所で変わらず【眼鏡ちゃん】のまま。
髪の毛を切った所で性格が軽くなるわけじゃない。
可愛くなれたとは言わないが、前とはもう違うんだと一人舞い上がっていた気持ちが急降下。
うざ
今まで目立たず、視界に入らず、無視されてきた私の人生。
私の姿を、私の目を見て直接言われた悠紀くんの気持ち。
本当に私
運命の相手なの?


