Chapter.3


「ごめんなさいは?」
「ご、ご、ごめ…。」
「もうしませんは?」
「も、もうし…。」
「くせーよ、息が。」
「ガハッ。」


悠紀くん達が前に言っていた渡辺トモという三年の男子の顔面を、悠紀くんが蹴りあげる。

蹴られた男子の血だらけになった顔面は正直見られなく、思わず目を伏せてしまう。

お店の定休日、学校帰りに助言された通りに私服に着替えてY地区に行った所、たまたま遭遇した場面。
Y月グループに囲まれた数人の男子学生と、まさかの女子も混ざっている。

「た、助けて下さ…。」

震えた女子が助けを求めているが、Y月グループのメンバーは冷めた視線で彼らを見て、悠紀くんが口を開く。

「道外れたことしといて、バレたら助けてとか虫が良すぎない?悪い金稼いで良いもの買って食って楽しかったんでしょ?」
「だ、だって、だって…。」
「甘いよ?女だから殴られないと思ってる?そちらの常識はこちらの非常識。」

Y月グループが悠紀くんの台詞に大爆笑している。

怖くて怖くて遠くで見ていることしか出来なかったが、思わず近くに寄って震えた身体で小さく声をかける。

「も、もう…止めません…か?」

「あ?」
「誰だこの女?」
「てめーコイツらの仲間か?」

Y月グループのメンバーがギロッと睨みながら私に凄んでくる。と、その中に前に見た金髪の男の子が私を思い出したのか、

「あ?お前。」

と、私を指を指して殺気出てたオーラが一瞬柔らかくなる。