視える私の見える好き


「勇太郎さん、勇次郎さん。私、好きな人が出来たんです。」

肩まで切ってもらった髪の毛をふわっとさせて、思わずエヘヘと笑う。

「「心春お嬢に……好きな人?」」

二人はビフォーの私を知っているせいか、こんなに飛びきりの笑顔で笑う私の姿に、ポカーンとしている。

だけど意外と乙女チックな性格の二人はその数秒後には、

「えっ誰ですか!?」
「変な奴なら俺がぶっ飛ばずぞ!?」

と、まるで女子会のようにキャッキャッと三人で笑い合う。

友達も居ない私には初めての恋ばな。
刺青があって、怖い顔。だけど知れば知るほど二人の優しい性格に、Y地区の人間だからと少し怖かった自分を恥じてしまう。

「俺も昔彼女いたんですよ。」
「そうそう、俺らと同じY地区で良い奴だったよなぁ。」
「心春お嬢の好きな人は同じ学校とかですか?」

開店前の店の中で盛り上がる雰囲気で、そのままの流れで公表してしまう。

「え?えへへ。Y月グループの悠紀くん。」


ガタンゴトン!!
二人が椅子から転げ落ち「大丈夫!?」と、心配してしまう。

「心春お嬢、それ本気ですか?」
「悪いこと言わねーから止めとけよ。」
「えっ!何で!?……だって。」

「まさか……文字の相手が悠紀ですか?」

勇太郎さんが今まで見たことが無い神妙そうな表情で私に聞く。
二人共運命の特殊な文字を信じているので話しは早い。だけど……。

「でもアイツ、けっこうヤンチャだぞ??心春お嬢、大丈夫かよ!?」

勇次郎さんも心配そうに同じ表情を浮かべる。