「な、な、何が…。」
「お、お前!手を出したな!?」


よりによって一番体格の良い柔道部の顧問が倒されてしまい、残された男性教師はどうすることも出来ないでいる。


「いやいや、先に手を出したのお宅らでしょ。僕たち正当防衛ですよ。」

窓を開けてギリギリ聞こえてくる会話に皆固唾を呑む。

「それよか、そちらの学校に三年A組の渡辺トモ組て在籍してるでしょ?連れて来てよ。」
「な、何でお前ら何かに…。」
「何度も言わせないで?僕たち温厚じゃないからさ。」


一歩、また一歩、リーダーの悠紀が先生ににじり寄る。
先生達もその迫力に、一歩、また一歩後ろに下がっていく。

と、そこで遠くでパトカーのサイレンが聞こえて学校に近づいてくるのがわかる。

流石のY月グループも嫌な顔をしてその場から去って行った。

「あーぁ行っちゃった。」
「てか名前呼ばれた三年、何したんだろね?」
「リーダーの悠紀初めて見たけど怖すぎ。」

あのやり取りを見ていたギャラリー達がぞろぞろと自分の席についていくが、私はその場から動けず、それどころか自分の感じたことのない胸の動機と見たこともない文字の強い光りの理由を知って、混乱してしまう。




私の運命の相手って…


Y月グループのリーダー!??


確かに見えたあの場にいた全員の証。そして特殊な文字を私が間違いようがない。
今まで何千、何万と見てきた証。それがまして17年間毎日見ていた自分の文字は、見間違える筈もない。


思わぬ真実に、またしても自分の特殊な文字が更に強く光るのを感じた。