「ねぇあれリーダーの悠紀じゃない?」
「うっそ!あの人!?ヤバ、初めて見た。」
「噂通りじゃん!あーでも前髪で顔見えない。」
怖いのと好奇心が混ざりあった会話の内容に、自分もY月グループのリーダーが見たくて人混みの中からコッソリ窓から顔を出す。
ドクン!!!
突然心臓がまるで跳び跳ねたような大きな脈に、思わず胸を押さえる。
何これ。苦し……。
経験したことのない胸の苦しみと心臓の波打ちに、思わず膝折れしてしまう。
「……え?ちょっと大丈夫?」
隣にいたクラスメイトがふらつく私をみて、思わず声をかけてくれるが、その声かけに応える余裕が全然無い。
一体何があったのか全く理解出来ない。
それどころか、私の胸の真ん中に浮かび上がっている文字が今まで見たことが無い程に光を放って、益々理解が出来ないでいた。
「おいお前ら!此処に何しに来たんだ!」
「警察呼んだからな!!」
外から男の先生達が、Y月グループのメンバーに向かって走って取り押さえていく。
それでも怯まない彼らは先生達を無視して叫んでいる。
「三年A組!!渡辺トモ!!分かってんだろ!!あぁ!?」
「隠れても無駄だぞコラ!!」
もはや何が何だかわからず、皆呆気に取られてその場を見守っている。
と、ずっと携帯を触ってただ立ってるだけのリーダーの悠紀が、携帯をズボンのポケットに閉まったと思った瞬間。
「……っ!!」
男の先生が一人、気付いたら地面に転がっていた。
私は治まる気配のない締め付けられる胸の動機を押さえながら、その光景をまじまじと皆と同じように視線をそらせないでいた。


