「でも心春ちゃん、もしかして心春ちゃんの証の人と近づいた?何か光が強くなってるわよ?」
「え?本当に?」
自分では気付かないレベルだが、私よりお母さんの方が経験が長いせいか細かい所も分かってしまう。
だからといって私達は特殊な文字が見えるだけであって、顔や年齢、何処にいるかなんて見えるわけではない。
ただ、光の特徴があるらしく、基本的には優しい光で包まれているが、強くなったり弱くなったりするのは聞いている。
それは何故なのか、どうしてそうなるかはお母さんもお婆ちゃんも詳しく知ってるわけではない。
そもそもこんな能力自体非科学的で、信じる方が難しい。
今から魔法を見せますと言われた所で誰も信じるものは居ない。
自分に特殊能力があるくせに、今そこに幽霊が居ると言われても全てを信じられないのも本音だ。
「あら、顔色良くなったね。」
「うん、大分スッキリした。」
「桃でも食べる?浄化効果あるわよ?って言ってもお婆ちゃんの受け売りだけど。」
冷蔵庫から今日買った旬の桃を取り出して、食べやすいようにカットしてくれる。
正直浄化の効果は特に信じていないけど、私もお母さんもお婆ちゃんも桃が大好きな三世代。
自分の特殊能力は知らないことばかりだし、何故私達がこの力を得られたのかもきっとずっとわからないだろう。
それでもお母さんはいつも同じ言葉をかけてくれる。
「神様からの贈り物。」と。


