先輩のこと、好きになってもいいですか?



今日あったことを話しながら、しょうもない話で笑いながら、わたしたち美辺、一家は家族団らんの時間を過ごした。


お母さんがいなくても、お父さんや芽衣がいれば寂しくない。

わたしはそう割り切れるけれど、芽衣はそうじゃない。


満腹になって眠気に襲われたのか、芽衣がうとうととし始める。

お父さんが「歯磨きしてから寝ようね〜」と芽衣を洗面所に連れて行った。


わたしと芽衣はもう一緒にお風呂を済ませているから、後は寝るだけ。

この様子だとお父さんが芽衣を寝かしつけてくれそうだ。


皿を全部食洗機に入れ終わったら、わたしは2階にある自分の部屋へ向かう。

そこからは勉強時間の始まりだ。


午後8時から11時までの間、わたしはひたすら参考書に向かい続けた。


  *


翌日、外からは地面をぽつぽつと打つ雨音がした。