『い、嫌なら別に……』
『い、いい嫌じゃないですっ!! え、先輩とライン交換なんてしてもいいんですかっ?』
先輩の様子がおかしくなる前、唐突に嬉しすぎる提案をされて交換した先輩のライン。
あれから、先輩とのラインのページは白紙のまま。
これからよろしく、という簡単な言葉も送れていない。
というか、何だかさっきの先輩の顔が脳裏にちらついて送りにくいというのが正しい。
「なんだかなぁ~。心に引っかかる……」
人参や玉ねぎを千切りしながら、ひき肉をもみながら、考え事をしていたせいか。
「いたっ……!」
人差し指をこれまたざっくりと、切ってしまった。
「おねえたん……? どちたの?」
「…っう、ううん。何もないから安心して!」
「そーなの? ならよあった」
芽衣はまた積み木遊びに戻った。
芽衣に怪我をしたことを気づかれないように、わたしはこっそりと消毒液と絆創膏を棚の引き出しから取り出して、簡単な手当をした。



