「いえいえ、お姉ちゃんも本当に偉くて優しいね。今日は芽衣ちゃん、たくさん泣いてすごく疲れたと思うからしっかり寝せてあげてね」
高柳先生はそう言って優しく手を振って見送ってくれた。
芽衣と手をつないで家までの道のりを歩く。
隣で芽衣がうとうとし始めたのが見え、途中で小さな体を抱き上げた。
3歳児の体は、見た目に寄らず結構重い。
だけど芽衣のためならと力持ちではないわたしは踏ん張った。
*
帰りのホームルームが終わって、1年生の教室の階に向かった。
美辺ゆうの顔を見るために。
だけど、昼休みと同様、そこにあの子の姿はなかった。
「和泉せんぱぁ~い、どうしたんですか? もしかして私に用事ですかぁ」
「……」
さっそくめんどくさそうな女が絡んでくる。
おれは無視を決め込み、その女を撒いた。
頭の中は、美辺ゆうがなぜいないのかという疑問でいっぱいだ。
おれたちは期限ありの関係でも、一応は付き合っているんじゃなかったのか……?



