先輩のこと、好きになってもいいですか?



それからわたしは暗い気持ちで4限目までを受け、お昼休みに入りお弁当を1人で食べる場所を見つけようと教室をそそくさと後にした。


授業が終わってようやく開放されたという生徒たちが一気に廊下へ出てくる。

カフェテリアに行く集団や、廊下でじゃれ合う男子生徒、話に花を咲かせる女子生徒。


真面目にご飯前にきちんと手を洗っている生徒。


そんな中、わたしは早足で廊下を歩き、階段を降りて旧校舎に繋がる渡り廊下へと向かった。


ただ、誰にも見つからない場所を見つけるために。

それだけのために、わたしの足はだんだんと早くなる。


早く1人になりたくて仕方がなかった。

あの教室にいるのは、わたしにとって苦痛でしかない。


中庭のあの場所も最適だけど、あそこには先輩がいるかもしれない。

だからそこには行かない。いや、行けないんだ。


旧校舎に足を踏み込ませ、階段を駆け上がる。

わたしが普段生活する新校舎よりも薄汚い旧校舎は、さぞぼっちのわたしにお似合いだろう。