だって、あんなにもわたしに対して憤っていた先輩が、今わたしに微笑みかけてくれているのだから。
「そ、そうなんですね……っ!!」
頬が真っ赤に染まるのが分かる。
全身を流れる血液が逆流しているんじゃないかと疑うほど、わたしの頬が一気に熱くなって、誤魔化しきれないくらい真っ赤に染まった。
「うん。だから、ちょっとだけ君に興味が湧いた。おれら、お試しでいいからお付き合い、始めてみない?」
「……っへ!? そ、それはつまり……っ、恋人同士のあれですかっ!?」
先輩からのあり得ない誘いに、すぐさま食いついたわたしを見て、先輩はおかしそうに笑った。
「うん、そう。美辺さんの言う恋人同士のあれっていうやつがおれの見解と同じなのなら、だけど」
「……!!」
もう、これ以上は染まらないだろう。
もう、真っ赤にはならないだろうって思っていたのに、わたしの頬はあっけなく先輩に落ちて、さらに熱を上げる。
「せ、先輩が良ければ、その……っよろしくお願いします!」



