「わ、分かりました……」
頷いた後、沈黙がふたりの間に落ちる。
先輩は何も話さず、ただどこかを眺めている。
一向にわたしと目を合わせない。
もうわたしに用はないのかな、というか、今のも別に用と呼べるほどのものじゃなかったけど、と考える。
わたしは俯いて自分の黄色のシューズを見つめ、先輩はどこか遠くを眺め、お互いに黙ったままの状況が続く。
気まずくて、意味の分からない重い沈黙にすぐに居心地が悪くなる。
先輩はそんなの気にしないという余裕さが無表情の中にある気がした。
というか、和泉先輩が緊張する時なんてあるのだろうか。
先輩のことをいいように見すぎなのかもしれないけれど、ない気しかしない。
「美辺さん、昨日おれに言ったよね。『先輩のこと、好きになってもいいですか?』って」
突然そんな爆弾すぎる発言を落とされて、私は思わず大きな声を出して驚いてしまった。
「ええええっ……! で、でもっ、和泉、が抜けてます!」
「え、何。うるさいんだけど。てか、自分の名前口に出すなんて恥ずかしいことできるわけないのにわざわざ指摘してこないで?」



