ゆっくりと腕を引かれて、和泉先輩と一緒に教室から出る。
後ろではクラスメイトの騒ぎ声がする。
みんなきっと、和泉先輩が用事のある子がわたしだったことが不思議で仕方ないんだろう。
あんな地味な女がどうして和泉先輩にって、悪口を言われているかも。
いや、かもじゃなくて絶対そうだ。
ぼっちな女が、学校中の人気者に呼び出されるなんて。
こんなのあっていい事態じゃない!
「せ、せんぱい……っどこ、行くんですか」
沢山の生徒が登校してくる中、和泉先輩と廊下を歩くわたしはかなり浮いている。
さっきから痛い視線を感じて、普段ここまで注目されることのないわたしはもうキャパオーバーだった。
もしかしたら、先輩はいつもこのたくさんの視線を四方八方から浴びているのだろうか。
……もしそうだったら、それはとても大変だ。
わたしだったら、こんなのとてもじゃないけど耐えられない。
心の休まる暇がないんだもの。



