よりによって先輩にバレるだなんて、わたしってつくづく運がないんだなあ……。
そう、悲しみに浸る。
和泉先輩がこちらに近づいてくる足音が聞こえて、わたしはすぐさま俯いた。
俯いたわたしの視界の中に、先輩の青色のシューズが映る。
ビクリと肩が震えてしまう。
「……なんで泣いてんの」
「……っ、」
そんな声が降ってきて、思わず先輩を見上げると、先輩の綺麗な三白眼と視線が交わった。
なんで泣いてるの、って、悲しいからです。
そう言えたら良いのに、わたしは声を発することができない。言葉が喉元で引っ掛かって、なかなか言葉を紡げない。
「とにかく、みんな見てるから。どこか人目のない所に行こう」
そう言って、先輩はわたしの手を優しく包みこんだ。



