まるで経験してきたような言い方だな、と思ったであろうそこのあなた。
今のは全てわたしの被害妄想であり、ただの見解であります。
ので、どうかわたしを哀れな子だと同情しないであげてください。
彼女は今、表には出さないですが内心友だちができなかったことへの絶望と、和泉先輩に対して早まった行動に出たことを後悔して、叶うことなら今すぐ消えてしまいたいと願っているのですから。
その上に哀れまれたり同情されるなんてことがあったら、きっとわたしは泣いてしまいます。
わたしを泣かせたら罰金千円です。
一人めそめそとした気持ちで今日の時間割順に教材をリュックから出して机に仕舞う。
リュックと学生鞄をロッカーに仕舞い終えたらすぐにやることがなくなったけれど、大丈夫。わたしには本というとっても強力な味方がいるんだから!
頑張って自分を奮い立たせて、席に座ったわたしは栞が挟まれていたページを開く。
そのページには、この本のヒロインがかねてからの初恋相手と色々な困難を乗り越えて、ようやく結ばれるというシーンが描かれていた。
そんな幸せな二人の会話文を目で追って読んでいると、次第に視界が涙で霞んでいく。



