彼も私を失って生きていけないと言っているような気がした。 それなら前を向いて生きるしかない。彼となら乗り越えられる。 「私もあなたと結婚したい」 彼は私を抱きしめて耳元で言った。 「ありがとう。やっと頷いてくれた。丸ごと俺に預けてくれ。今度こそ君を守る。俺は君さえいればなんでもできる」 「信也さん、あなたが好きなの」 「愛してる、凛花……お前の全てをくれ」 「はい」 その夜、彼にすべてを預けた。事故以来だった。