腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

翠さん、本当に、ごめんなさい。

でも、契約関係だから。

契約にあった通り、翠さんの婚約者を演じ、婚約者を見つけた。

なら、婚約破棄にしてもいい。



「それは本当か? なら、少し考えてみよう」

「っ、ありがとう、ございます……!!」



私は、誰にでも気に入られることを知っている笑顔を向けた。

すると、父親たちも笑顔になった。



「そうだな。こんな出来損ないが女主人になるより、優秀な蓬が女主人になったほうがいい。蓬、これからよろしく頼むぞ」

「は、はい……!!」



ギリギリ、だった。

翠さんとの婚約を世間に発表するのは明後日だった。

間に合って、よかった……。

でも、学園の人たちは知っている。



「学園の生徒たちは、私がなんとかします。ご安心を」

「ああ、頼もしくて助かってるよ」



顔を上げると、橙華が驚いた顔をしていた。

私は、何度だって助けるよ。

今まで、助けられなかった分まで。