「おい泉!!」



翠さんの大きな声が響いた。

冬月さんはやれやれと言わんばかりに顔を上げた。



「なんです? 俺はただ蓬様も仲良く話していただけですよ?」

「嘘つけぇ! 蓬、絶対こいつの言うこと聞くなよ。こいつ異常だから」

「さあ、異常にさせたのは誰でしょうねぇ」



翠さんは噛み付くのが得意で、冬月さんはそんな翠さんを収めるのが得意。

なんだか相性ピッタリの二人だなぁ。



「泉、蓬と話すな! てか半径3m以内に入るな!」

「それは無茶過ぎません?」



本当にその通り……と苦笑いをしていたら、ポケットが震えた。


ヴー、ヴー、ヴー、ヴー。



「あ、電話みたいです。出てもいいですか?」

「いーよー」



翠さんの返事を聞いて、電話に出た。