腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

「独りは……寂しいっ……」

「蓬……」



誰か、教えて。

この苦しみから、抜け出す方法を。

橙華を、助ける方法を。



「一緒に、いてくれません、か……?」



自分でも、何言ってるんだろうと思った。

自分から拒否したのに、求めるなんて。

卑怯、だ。

でも。



「当たり前だろ」

「っ……」



ギュッと、翠さんは抱きしめてくれた。

───温かい……。



「やっと甘えるようになった。あーもう、可愛い」

「っ……」



かわ、いい……?

初めて、言われた言葉。

そんな言葉に、瞳が濡れた。



「いいんだよ」

「え……?」



急に何を言い出すのかと思い、翠さんの腕の中で顔を上げると───。



「俺の前では、苦しいって言っても」

「え……?」



慈しむような、優しい笑み。

与えられたことのない、温かさ。