「俺はいつでも、お前のこと待ってるからな」
「っ……」
本当に、そうなの?
甘えても……いいの?
でも、甘えるって、なに……?
私は誰かに頼る権利……あるの?
「あっ……」
翠さんは、お粥を置いて出ていった。
小さなお鍋に入った温かいお粥。
蓋を取ると、美味しそうなお粥が。
「いただき、ます」
少しだけお粥を取って口に運ぶ。
「あ……」
お粥の横にあった薬。
翠さん……。
「あ、れ……?」
どんどん顔が熱くなっていく。
熱を測ると、さっきよりも熱くなって……。
どうしてこんなに……ドキドキして……。
これって、まさか───。
「ううん、そんなわけない……」
翠さんは、信頼できる人。
頼れって言ってくれる……優しい人。
私は自分の中に、もう一つの感情が芽生えていることに気づかなかった。



