腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

「昨日夜遅くに電話してきたのは翠でしょう。なに無責任なこと言ってるんですか。で、急になんだと思って話を聞きに来たんです」

「ああ……」



でも、今は話す気にはなれない……。

蓬に聞かれたらマズいしな。



「今日は一旦帰ってくれ。というか今日はもう来んな」



泉はため息をついたあとに口を開いた。



「なんて横暴な主人なんでしょう。まあ、今日は一旦帰ります。蓬様、お大事に」

「は? 風邪だって言ってないだろ」

「翠の顔を見たら一発です」



マジでこいつなんだ……?

とりあえず、昼飯用意するか……。

時間はもう12半過ぎ。蓬も腹減っただろ。



「蓬、お粥を用意した。食べれそうか?」



扉をノックして入ると、蓬はビクつき布団の中に潜った。



「いら……ないです……」



声を必死に抑えているんだろうが、泣き声が丸わかりだ。



「蓬」

「来ないで……ください」



足音を聞いて、更に布団の中に潜った。

俺はベッドの端に座り、蓬を見た。