腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

何か言いかけた翠さんの言葉を遮って、寝室に飛び込んだ。

当然、翠さんは追いかけてくるから、鍵をかけた。

ズルズルと、背中を扉に当てて座り込んだ。



「蓬!」

「っ、来ないで……!」

「蓬……」



目から、涙が溢れてきた。

当然驚いたけど、それ以上に。

胸が、痛かった。

何も、できなかった。

守ると決めたのに。


『わたしのところには邪魔な奴がいるせいで、世間体も悪いですよ』

『橙華は不登校で、しかも婚約者もいない。まあ、こんな出来損ないを婚約者に選ぶ者もいないだろうな、ははははっ!』


守れな、かった……っ。

橙華が人前に出るのは、死ぬほど嫌なはずなのに。

それでも出たところでは、あんな、言い方をされて……っ。

───人間なんて、大嫌い。

たしかに、人間は自分の利益のためにしか行動しない生き物。

でも……悪く言う必要はない……っ!!