翠さんに連れられて、車に乗った。
私はずっと、無気力だった。
「ほら蓬、降りて」
「……」
家に着いて、車からゆっくり降りる。
家の中に入り、パタンと扉が閉まる。
「……何も、できなかった」
「え?」
呟いた言葉に、翠さんが聞き返した瞬間。
「なんであのとき止めたんですか!?」
自分でも想像しない、大きな声が玄関のに響いた。
でも、口は言うことを聞かなくて。
「翠さんならわかったでしょう? あのとき、反論しようとした私を。なんで、止めたんですか」
「蓬……」
言ってから、ハッと我に返った。
八つ当たり、してしまった。
翠さんはただ、私を案じて止めてくれただけなのに。
「蓬、俺は」
「っ、すみません……!!」
「蓬!」



