腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

「皆様どうぞお座りください。……橙華様はもうすぐいらっしゃいます」

「和葉……」



和葉が私の顔を見て言ってくれた。

橙華、ちゃんとご飯とか食べてるかな……。



「……はじめまして」

「……!」



扉が開いて、橙華が入ってきた。

いつもは長袖の真っ白で質素なワンピースを着ているのに、今日はオシャレな格好をしていた。



「と、橙華……久しぶり」

「……」

「おい橙華!」



喋りかけたのはいいものの、橙華は何も返さず、橙華の代わりに父親が口を挟んできた。

いつもなら怒鳴りつけるのに、今日は声色が優しい。



「すまない、次女がぶっきらぼうで」

「ははっ、構いませんよ。翠だってぶっきらぼうですからね」



いつの間にか喋り出していて、私は父親の隣に座る。

その横に座った橙華に、ドキリとした。



「いやあ、まさか蓬さんに妹ちゃんがいたとはなぁ」

「……ぇ」