腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

眉間に皺を寄せる冬月さんと、狂犬のように吠える朝比奈さん。

信じられないのは私が一番なんだけど。



「てか、スマホ震えてない?」

「え? あっ」



翠さんの指摘で気づいた。

机の上に置いたスマホが震えていて、電話かと気づく。



「ここでしていいよ。何も邪魔しないから」

「じゃあお言葉に甘えて」



翠さんの言葉に甘えて耳にスマホを当てると。



《蓬、元気か?》

「っ、お父様……!?」



聞こえたのは、父親の声だった。

えっ、どういうこと……?



「あ、あの、お父様、どうしてお電話を?」



今はきっとまだ仕事中のはず。



《実はな、加賀美家と会う機会があってな。まだ翠君と挨拶をしていないし、蓬もまだ会ってないだろう。だから明日家に二人で来てくれるか?》



ドキリと、した。

家に、帰る?

しかも、翠さんのご両親に……。