柏陽さんは、顔を真っ赤にして帰って行った。
私はため息をつき、翠さんを見た。
「翠さん、あんなチワワみたいなのに負けてていいんですか? ハッキリ言ってダサいですよ。まあ、翠さんの性格が歪んだ理由がわかりましたけど」
きっとあの様子じゃ、親にも馬鹿にされているんだろう。
……橙華みたいに。
「やっぱり蓬を選んでよかったなー。蓬、探偵向いてるんじゃない? ま、恥ずいとこ見られてダルいけどー」
「翠さんも苦労してるんですね」
「なんだそれ」
私は気づかなかった。
彼の瞳が、“いつもと違う”ことに───。
私はため息をつき、翠さんを見た。
「翠さん、あんなチワワみたいなのに負けてていいんですか? ハッキリ言ってダサいですよ。まあ、翠さんの性格が歪んだ理由がわかりましたけど」
きっとあの様子じゃ、親にも馬鹿にされているんだろう。
……橙華みたいに。
「やっぱり蓬を選んでよかったなー。蓬、探偵向いてるんじゃない? ま、恥ずいとこ見られてダルいけどー」
「翠さんも苦労してるんですね」
「なんだそれ」
私は気づかなかった。
彼の瞳が、“いつもと違う”ことに───。



