放課後になり、生徒会室に向かった。

……今日は本当に疲れた……。

翠さんと婚約したことが知らされて、ずっと質問攻めだった。

もちろん上手く避けたりしたけど、精神的に疲れた。



「失礼します」



生徒会室の扉を開けると、そこには翠さん、冬月さん、朝比奈さんがいた。



「皆さん早いですね。遅くなってすみません」

「大丈夫だよー。それより、質問攻めで大変だったねー」

「いや、なんで知ってるんですか」



普通のやり取りをしている中、冬月さんと朝比奈さんは目を見開いていた。



「蓬様、おめでたですね」



急に冬月さんに言われた言葉に、理解できなかった。



「おめでた? まあたしかに正式に婚約しましたけど」

「違います。翠に気に入られていますね」

「……はい?」



本当に、翠さんの周りには普通の人はいないの?

なに、気に入られるって。