腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。





私は今の状況を理解できてない。

なんで。



「なんで翠さんと寝室が一緒なんですかぁ!?」



寮……いわゆる一軒家に着いて、荷物を整理して、お風呂にも入って……。

寝ようとして寝室に入ると、なぜか布団の中に翠さんがいた。



「どーした? 早く寝るぞ」



平然私のほうを見ながら言う。



「わ、私たちは契約関係です! こんなの、契約にはありませんでした!」



近くに寄って言ってから気づいた。

この人、制服のまま布団に入ってる!



「えー、でもダメとも書いてないじゃん。契約したときに付け加えたいことはないって言ったの蓬じゃん」

「そ、それとこれとは話が別です! それになんで制服のまま布団に入ってるんですか!? せめてお風呂に入って着替えてから……」



怒る私の前に、ドサッとベッドから降りた翠さん。

なんだと思いながらも、言葉を続けた。



「もう、私あっちの部屋で寝ま───」



一瞬、思考が止まった。

唇に、触れた柔らかい感触。

本当に、何が起こったのかわからなかった。