腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

「蓬、父さんたちは誇らしいよ。あの加賀美の御曹司、翠さんの婚約者になるなんて。突然のことで驚いたが、幸せになるんだぞ」

「ありがとうございます。突然のことにも関わらず、承諾してくださって嬉しいです」



心の中で「嘘のくせに」と文句を言いながら嘘の言葉を並べる。

嘘の腕前は遺伝子か。



「これで九条家も安泰だ。……それに比べて、橙華はまだ学校に行かない、婚約者もいないのか。いつになったら安心させてくれるんだ」

「〜っ……」



心の中で地団駄を踏みながら、必死に感情を抑えていた。

どうして、文句を言わないと気が済まないの?

あなたたちは子供に頼りすぎなのよ。

だから取引先にも裏切られたんでしょうが。

昔、橙華が不登校になる前、取引先に裏切られ九条家が大損害を受けたことがあった。

父親は焦ったんだろう。

いや、狂ってるの間違いだ。

でも、その娘も狂ってるかもね。



「お父様、いい加減にしてください」

「な、なに?」



ちょっと反論する気で口を開いた。