腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。





「きゃぁぁーー!!!」

「……ん?」



朝学校に登校すると、女子が大騒ぎする異様な廊下を目にした。

いったいなんの騒ぎ?

謎に頭を悩ませながら廊下を通ると、人影が見えた。



「……嘘でしょ」



そこにいたのは、翠さんだった。

なんで翠さんがここにいるの? 大学部の人が高等部の棟に入るなんてご法度なのに。



「蓬」



優しい声で呼ばれ、無視することができなかった。

廊下にいる女子たち全員が私たちの関係、私たちのいざこざを知っているだろう。

断ることもできず、私は翠さんに近寄った。



「なんですか翠さん。高等部に来るのはダメでしょう。何か生徒会の資料ですか? それなら綴に渡したほうが……」

「“奴”に話に来た」

「……奴?」



奴が誰だかわからず、首傾げた。

翠さんは私の様子を無視して、近くにいる女子に話しかけた。