腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

「知ってるでしょ、“フィアンサーユ制度”」



その厳しい難関をくぐり抜ける方法がある。

それが、“フィアンサーユ制度”。

それは、婚約した二人で一つになる。

つまり、二人のフィルテ金が集められ、それでフィルテ金が上限に達した場合は、“二人で”寮に入れる。



「さすがの会長も、フィルテ金までは得られなかったんですね」



フィルテ金を集められたのは過去に数十人ほど。

それほどに珍しい。

しかも寮も、一軒家より少し大きめの屋敷が寮という、ものすごい贅沢な寮。



「俺はあともう少しなんだ。蓬なら持ってると思って」

「……まあ、結構持ってますね。二人の分を足せば余裕でいくと思います」



私も早くあの家を出たい。

橙華は……和葉に任せれば大丈夫だと思う。

それに、あの親たちは私が寮に入ることになったら泣いて喜ぶだろう。

少なからず、橙華に嫌味を言う気分にはならないはず。



「……わかりました。あなたと契約します」



覚悟してそう言うと、前に紙が置かれた。