いろいろな感情が混ざり合って、涙が浮かんだ。



「あーあ、また俺泣かしちゃった」

「な、いてません……っ」

「嘘つき。蓬は嘘つくとき視線を斜め下に落とすもん」

「えっ」



顔を上げて翠さんの顔を見た瞬間、翠さんはニヤリと笑うと同時に、悲しそうな顔をした。



「なんで俺のこと仲間外れにすんの? もしかして、もう俺らに絆なんてない?」

「あっ……」



翠さん、自分が知らなかったこと、傷ついてる……。



「いや、その……。翠さんが私のこと、大事にしてくれてるから言えなかったんです」

「何それ。結局俺仲間外れじゃん」



利昌大和のことで、和葉に言われたことがある。



「あの男の父親、私の父親の友人なんです。ちょうど私と橙華が家を出てから転校してして……怪しいって和葉に言われたんです。今和葉が調査してくれてますが、なんか、不安で」

「不安で?」

「え?」

「蓬はそんなちっさい奴に不安持たされるような奴じゃない。他になんかあるんでしょ」

「……勘が鋭すぎる」