「こうなるってわかってるのに反抗しなかった。つまり、喰われる準備はオッケーってことね?」

「っ……!」



カァァァッと顔が熱くなる。



「じゃあ、“僕”の愛に溺れてね」

「んっ、あぁっ……っ」



でも私はいつものように流されまいと思い、翠さんを軽く押した。

軽くだったのに、翠さんは簡単に押し倒された。

気づけば、私が翠さんの上に覆いかぶさっている状態に。



「何これかわい。なに、今日は上から見下ろしたくなった?」

「そ、そんなわけないです。その……話すので、一回起き上がりましょう……」

「押し倒したの誰だよ」

「す、翠さんが勝手に倒れたんです!」



私は翠さんの手を引っ張り、無理やり起こした。

翠さんは起き上がって欠伸をした。



「んで、なに? まあどんな答えでもあいつ殺すけど」

「私だって本当はそうしたいですよ! 私は翠さんにしか触られたくありません! なのに、なのに……っ!」