腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

静かに、言い聞かせるように言う様はまさに威厳ある姿だった。

いつもヘラヘラしてんのはどっちだよ。ただ、ちゃんとやってることはやってんだな。

今回はマジで感謝した。このままだと大問題起こすとこだった。



「……チッ」



ふっ、ざまあみやがれ。

利昌大和は舌打ちをして出て行った。

すると、蓬が動いた。

ハンカチを取り出し、触ってきただろう部分を払い始めた。



「キッショ。マジ触ってくるとか本当に気持ち悪い。不快、汚い、最悪」

「……蓬?」



いつものとは違う饒舌振りに、俺は驚かざるを得なかった。



「えっ、あっ……」



蓬も気がついたのか、口を手で押さえた。

すると、橙華は笑い出し、綴はため息をついた。



「ははっ、お姉ちゃん可哀想。でもざまあないね。私のお姉ちゃんに触るとか死刑」



笑っていない目でガン開きのこの妹は、マジで蓬に似てる。

シスコン具合がアップしてんな。