腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

この人が言っていることは正しい。

私もたまに白い目で見られるときがあるし、婚約者はいたほうがいい。

でも、私にとって世間体はどうでもいい。

私が一番大切なのは……。

橙華が、政略結婚に巻き込まれないこと。

もし私がこのまま三年生になれば、親は焦る。

そうなると親は、出来損ないと言う橙華を結婚させる。

もちろん、将来橙華が結婚するときは反対しない。

でも、今はまだ犠牲になるべきじゃない。



「……条件を聞きましょう」



できる限り慎重に動く。

私の言葉を聞くと、満足そうに話し出した。



「まずは世間に婚約したと発表する。婚約会見はしない。あとは……寮に入ってもらう」

「寮?」

「そう。この学園は婚約をしたら寮に入る権利が与えられる。俺は早くあの家を出たい」

「なるほど」



この学園の寮に入る条件はキツい。

まずは、成績が上位であること。

ここは私も会長も突破しているだろう。

ただもう一つが、推薦をもらうこと。

何の推薦かと言うと、学園長から直々に推薦状を書いてもらわないといけない推薦状。

しかもその推薦状を書いていもらうためには、学園のために貢献した証である“フィルテ金”という純金を集めなければいけない。

そのフィルテ金は本物の金で出来ていて、そこまでお金をかけるべき相手か見定められる。