腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

「俺、自分から気持ちを言うのは得意だけど、蓬に言われて伝えるのは苦手かも」

「……」

「そんな顔すんなって。

───俺も愛してる」

「……!」



まるで私をわからせるように、おでこにキスを降らせた。



「どうも身長差で届かないんだよ。やっぱり、俺は蓬からされたほうがいーみたい」

「っ……!」



『唇には届かないんですよ。やっぱり引っ張るのはネクタイじゃなきゃ……ですね?』



この人は、本当……。

覚えてないフリして、全部覚えてる。

でもそう知ったとき───この人の隣にいていいんだって、わからせてくれる。



「辛いときは辛いって言って。苦しいときは苦しいって言え。蓬の婚約者だろ。半分くらい分けろって」

「……絶対に、言いません」

「いやなんで? ここ感動するとこなんだけど」

「感動で終わらせません」

「そういう返事、蓬らしいわ」



愛されない、なんて、私の勘違いだった。

孤独な夜なんて、もうないんだ。