腹黒王子様は、孤独なシンデレラに愛を抱く。

翠さんは橙華と入れ替わりのように、私を抱きしめた。



「俺がキレたのも……お前が好き以外の理由なんてないだろ。甘えろ。それが、お前の生きる意味だ」

「っ」



私に、生きる意味を……。



「私は……私は、あんなことしたのに……」



橙華を、踏み台にしたようなものなのに……。



「まだ、橙華は……私のこと、“お姉ちゃん”って、呼んでくれるんだね……」

「当たり前でしょ……。私にとっての姉妹は、お姉ちゃんは、蓬だけだもん……」

「……ありがとう……」



消え入りそうな声で、そう言った。

もう独りなんかじゃ、ないんだ……。

居場所はちゃんと、ここにあった……っ。



「お姉ちゃん」

「橙華」



二人で、声を揃えた。



「「大好き」」



ちゃんと、自慢の姉になれたかな……。



「もう、隠し事はなしだからね」

「わかった。じゃあ、翠さん」

「え、なに?」