『でもね、私は橙華の姉に生まれてこれてよかった。あなたが「生まれて来なければ」と言ったとき、頭ではその通りだと感じた。
でも、私の心はそうは言ってなかった。

私は、橙華の双子の姉として生まれて、護れて、愛せてよかった。

自慢できるお姉ちゃんではなくなっちゃったけど、精一杯、愛せたよ。

私はバカだからさ、こんなことしかできない。

これを読んでいるあなたは、今幸せ?
私はこれを読まれるとき、いないのかな。

せめて、あなたのお誕生日をお祝いしたい。

今まで言えなかった。



お誕生日おめでとう。

私を生きさせてくれてありがとう。


母親からもらえる愛情はなかったから、代わりに言うね。



生まれてきてくれて、ありがとう。



もし和解ができて、話せたとしたら、

橙華はもう一度だけ、一回でいいから、
「お姉ちゃん」って呼んでくれるかな?

もし言ってくれるのなら、私は後悔なく死ねる。


でも死ぬのは、閻魔大王様に会うのは、

あなたの口から、「幸せ」って聞けたときにしよう。


ごめん、ありがとう、橙華。

あなただけが、私の生きる価値を高めてくれたような気がする。』