信じたく、なかった。

───この字は、お姉ちゃんの字だ。



「え……?」



書かれていたのは、私の名前だった。



『この遺書は、ただ橙華に宛てた謝罪文です』



そう書かれていて、目頭が熱くなった。

何それ……こんなの、聞いてない……っ。

私は何も、わかっていなかった───。



『頼りなくてごめん。
私のせいだってわかってる。でも、私はあなたの自慢できるお姉ちゃんでいたかった。
昔、ある人に言われたことがある。
私はただ、醜いだけだって。
本当に、その通りだった』



「……っ、なに、それ、何それ……っ」

「橙華……」



お姉ちゃんのバカ……! なんで、どうして、言わないの……っ!!

『あなた』が誰なのか、すぐに、嫌でもわかった。



『隠し事してごめん。
私一人我慢すれば、あなたが安全だと思った』



「ば、か……!!」